こんにちは、ナカタです。
2009年から働く現役ナースです。
病院・施設で勤務歴があり、
転職歴4回。
現在は高齢者施設で働いています。
高齢者施設で働き始めて、介護スタッフの知識・技術にかなり差があることを知りました。
特に驚いたのは、「無資格」でも働くことが出来るということ。
人手が足りない・掃除や洗濯など専性が問われない仕事もある、などが理由だそう。
個人的な見解ですが、やはり資格を持つスタッフは介護の知識や質が違います。
働きながら資格を取得しているスタッフも多く、介護職の資格に興味を持ちました。
「介護職」について知るため、無資格〜主な介護の資格について調べてみました。
無資格で出来ることは?
【無資格でもできること】
- 通所・居住・施設系で働ける
- 体に触れない「生活援助」
- 介護福祉士から指示を受けた
「身体介護」 - レクリエーション
- 企画
- 事務
- 送迎・運転業務
介護業界はどこも人手不足です。
正直、無資格・未経験だからといって、丁寧に教育してくれる現場ばかりではありません。
介護未経験の方は介護度低い利用者が多い施設や教育体制の整った施設で働き始めることを
オススメします。
「無資格」の場合、2024年4月から「認知症介護基礎研修」の受講が義務づけられました。
認知症の方へ介護を提供するために必要な知識・技術の習得を目的とした公的研修です。
費用は3000-5000円、150分のカリキュラムであるため、受講期間は1日で済みます。
介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー2級)とは?
【修了後にできること】
- 体に触れる「身体介護」
- 利用者のお宅を訪問する「訪問介護」
【資格の詳細】
介護の基礎知識を身につける入門資格
・無資格で受講可能
・費用3−10万円
・受講期間1-4ヵ月程度
・130時間カリキュラム+試験がある
(試験:合格率ほぼ100%)
「介護職員初任者研修」を受けるメリットは、収入が上がり、仕事の幅が広がることにあります。
平均月収は「無資格」よりも約3万円アップするため、研修費用は1-3ヶ月でペイできます。
自分の職場では、資格取得が月収にどの程度反映されるのか、確認してみてください。
資格を取得すれば、「訪問介護」ができるようになります。
「訪問介護」は、業務内容・時間が決まっており、利用者と1対1で向き合うことができます。
施設のように、業務に追われたり、人間関係に悩まされないのがメリットと言えるでしょう。
「介護職員初任者研修」を受けずに、「介護福祉士実務者研修」から挑戦することもできます。
2つの研修はセット割になっている場合も多く、重複する研修内容は免除されるため、
全く未経験の方は「介護職員初任者研修」を取得して収入を上げ、仕事の幅を広げつつ、
「介護福祉士実務者研修」を受けて更なるスキルアップを図る方が良いと思います。
介護福祉士実務者研修(旧:ホームヘルパー1級)とは?
【修了後にできること】
- 介護福祉士国家試験の
受験資格を得る - サービス提供責任者になれる
- キャリアアップの機会が広がる
【資格の詳細】
より質の高い知識・技術を習得できる。
・無資格で受講可能
・費用10-20万円、
・受講期間6-12ヵ月程度。
・450時間のカリキュラム
(初任者研修修了者は130時間分免除)
・修了後の試験実施義務はなし
(試験があっても、合格率ほぼ100%)
資格を取得すると、平均月収は「無資格」よりも約3.5万円アップします。
研修費用は6ヶ月あればペイできます。
「サービス提供責任者(サ責)」とは、利用者・家族の希望を汲み取り、
ケアマネジャーと連携して訪問介護計画書を作成し、ヘルパーに指示・指導を行う職種です。
ヘルパーとして介護業務を行ったり、事務作業・会議への出席など、仕事は多岐にわたります。
平均月収は「介護福祉士実務者研修」修了者より約4万円アップします。
介護福祉士とは?
【資格取得後にできること】
- 役職に就く
- 福祉系の学校や施設で講師ができる
- 上位資格取得を目指す基盤になる
【資格の詳細】
介護系唯一の国家資格。
・更新制度はない
・受験には下記のどちらかが必要
①実務経験3年以上かつ
「介護福祉士実務者研修」の修了
②福祉関係の学校の卒業
・費用・期間は、
受験資格を得る手段で異なる
・国家試験がある
(2023年以降、合格率80%程度)
資格を取得すると、平均月収は「無資格」よりも約6万円アップ、
「介護職員初任者研修」・「介護福祉士実務者研修」修了者よりも約3万円アップします。
介護職として長く働くのなら、資格取得を目指すのが良いでしょう。
介護リーダー・サービス提供責任者・生活指導員などの職種に就いて仕事の幅を広げたり、
認定介護福祉士・ケアマネージャーへのステップアップに繋げることができます。
介護支援専門員(ケアマネジャー)とは?
【資格取得後にできること】
- ケアプランの作成
- 利用者・家族とサービスを繋ぐ
コーディネーター的役割 - 地域包括支援センターでの勤務
- 介護保険施設の管理者
- 介護サービス事業所の管理者
- 上位資格取得を目指す基盤になる
【資格の詳細】
都道府県知事の登録を受ける公的資格。
・5年更新
(更新には研修の受講が必須)
・都道府県が実施する試験がある
(合格率20%未満)
・試験合格後「実務研修」がある
・研修後、各都道府県に申請し、
「介護支援専門員証」を受け取れば
働くことができる
受験資格は、無資格なら最短8年、介護福祉士などの資格があれば最短5年、実務経験が必要です。
都道府県が行う「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)」に合格し、
都道府県で実施される「実務研修」を受けなければなりません。
費用5-6万円、期間3-6ヶ月程度。
87時間のカリキュラムと居宅介護支援事業所での実習(原則3日間)を受けます。
研修修了後、3ヶ月以内に都道府県の「介護支援専門員資格登録簿」に登録申請し、
「介護支援専門員証」の交付を受けて、ようやく仕事に従事できます。
資格を取得すると、平均月収は「無資格」よりも10万円以上アップ、
「介護職員初任者研修」・「介護福祉士実務者研修」修了者よりも7万円以上アップします。
専門性・難易度が高い分、最も高収入となっています。
介護の資格と月収
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」より、資格別の平均月収を左図の通り。
「無資格」から資格取得にかかる費用・期間を右図にまとめました。
資格 | 平均月収 |
無資格 | 26万8680円 |
初任者 | 30万240円 |
実務者 | 30万2430円 |
介福 | 33万1080円 |
サ責 | 34万620円 |
ケアマネ | 37万6770円 |
資格 | 合格率 | 研修 | 期間 | 費用 |
初任者 | 100% | 130時間 | 1-3ヶ月 | 3-10万円 |
実務者 | 100% | 450時間 | 6-12ヶ月 | 10-20万円 |
介福 | 70-80% | 実務3年以上 かつ 実務者修了 | 8-9月:試験申込 1月:試験 3月:合格発表 | 受験など 手数料 3万円 |
ケアマネ (5年更新) | 10-20% | 特定の資格 もしくは 特定の業務 実務5年以上 | 6-8月:試験申込 10月:試験 12月:合格発表 合格後、3-6ヶ月 実務研修あり | 受験など 手数料 1.5万円 実務研修 5-6万円 |
まとめ
介護職は「無資格」から始めることができますが、決して簡単な仕事ではありません。
利用者に適した介護サービスを提供するため、専門的な知識・技術が必要です。
「無資格」でも、働きながら研修・試験を受けて、スキル・収入を上げることができます。
看護師としては、ともに利用者を支えるスタッフとして、各介護スタッフの技能を理解し、
適切なサービスが提供できるように協働していくことが大切だと考えています。