夜勤がないと薄給?看護師の給料・働き方について考えてみよう

転職
この記事で分かること
  • 日本の平均年収と看護師の平均年収について知ることができる
  • 夜勤のメリットとデメリットが分かる
ナカタ
ナカタ

こんにちは、ナカタです。
2009年から働く現役ナースです。

病院・施設で勤務歴があり、

転職歴4回。

現在は高齢者施設で働いています。

看護師の給料で大きなウエイトを占めるのが「夜勤手当」。
「体はしんどいけど、夜勤をしてお金を稼ぎたい」と考える方は多いと思います。
一方で、健康面を考えると、体への影響が危惧されるところ。

「看護師として働くなら、夜勤をするべきか?」

金銭面・健康面から考えてみました。

厚生労働省の調査より、
看護師の平均年収は約508万円
(ボーナス・夜勤手当などを含む)
日本看護協会の報告書より、
夜勤手当は月平均で約3.5-5.5万円。
年換算すると約42-66万円。
「夜勤なし」として上記を引くと、
年収は約442-466万円と推測されます。

国税庁の調査より、2022年における日本全国の平均年収は458万円(正社員に限ると523万円)
職業による年収の差は大きく、極端な数値に寄る「平均値」では、一概に比較できません。
データを数値順に並べた真ん中の値である「中央値」が世間の感覚に近いように思います。
転職サイト「doda」が2022年9月~2023年8月の1年間に登録した約63万人のデータをもとに
算出した平均年収は414万円年収中央値は360万円となっています。
日本全国の平均年収と転職サイト「doda」の平均年収には40万円以上の差はありますが、
上記2つのデータから、看護師の年収は「夜勤なし」でも平均〜やや高いと推測します

<参考>                                                                                                                                  ①厚生労働省  「令和5年賃金構造基本統計調査
②日本看護協会 「2023 年 病院看護実態調査 報告書
③国税庁    「令和4年分 民間給与実態統計調査
④doda 「正社員の年収中央値は?男女別・年齢別・都道府県別にも解説

【メリット】

  • 夜勤手当がもらえる
  • 夜勤明けは自由時間になる
  • 月の勤務日数が減る
  • 夜間の状態も含めて、                 患者・利用者を観察できる
  • 効率よく仕事をまわす                                                スキルが身に付く
  • 日勤でできなかった仕事ができる   

夜勤の大きなメリットと言えば、夜勤手当と自由な時間が増えることでしょう。
仮に、夜勤専従で働けば、月の勤務日数は10日ほどで済みます。
夜勤明けの日中は自由に使えるため、連休をとって旅行に行くこともできます。
認知症・せん妄などにより、患者・利用者の状態は昼夜で変わる可能性があります。
その人の状態を理解するには、日勤・夜勤で観察する方が望ましいでしょう。
夜勤では、患者・利用者が寝ている間に残っていた仕事を片付けることもできます。

【デメリット】

  • 生活リズムが乱れる
  • 家族と生活時間が合わない
  • 体力と気力が持たない
  • 担当患者・利用者の数が多く、              1人あたりの負担が大きい
  • 夜勤メンバーによっては、                                                         業務負担が大きくなる
  • 睡眠不足になりやすい
  • 暴飲暴食しやすい
  • 肌荒れしやすい

夜勤のデメリットで1番に挙がるのが、身体的・精神的な負担が大きいこと
充分に休息がとれないことから、体調不良やうつ病などの精神疾患を招く恐れがあります。
帰宅後も、家族・友人との生活リズムが合わず、ストレスに感じることもあるでしょう。
夜勤では、1人あたりの担当者数が増えるため、業務量・担う責任は重くなります。
急変・機器のトラブルなどがあれば、その場にいるスタッフで対応しなければなりません。
睡眠不足になると、食欲を抑えるホルモンの分泌が減少して過食になりやすく、
成長ホルモンの分泌が減少することで新陳代謝が低下します。
仕事と休息のバランスをとり、体調管理をすることが大切です。

日本看護協会より勤務時間を制限され、
健康診断が年2回に増える時点で、
体に良くないことは周知の事実
夜勤が体に与える影響は下記の通り。

  • 睡眠の質が下がる
  • 心身の疲労回復が遅れる
  • 生活習慣病発症のリスクが上がる
  • 免疫機能が低下する
  • 発がん性が上がる

働く時間が変わることで、日光にあたるタイミングが変わります。
体内時計が乱れやすくなり、食事・睡眠・運動のタイミングや内容が変わります。
これが長期間に渡ると、体内時計は崩れ、心身の回復が間に合わず、ストレスがかかります。
食事・飲酒・喫煙の増加などにより、生活習慣病や精神疾患を招く恐れがあります。
不規則な生活や睡眠不足により、免疫システムが低下し、感染症のリスクが上がります。
2007年にWHOの国際がん研究機関が「夜勤は、恐らく発がん性がある」と認定しています。
夜間に分泌されるメラトニンが抑制され、エストロゲン・テストステロンが亢進することで、
乳がん・前立腺がんのリスクが高まると言われています。

決して高収入とは言えませんが、
看護師の年収なら、「夜勤なし」でも
一般的な生活は営めると考えます。
仮に、22歳-60歳まで働けば、
一生涯で1億7000万円ほど稼げます。
心身が元気でなければ、
働き続けることは難しいでしょう。
夜勤を続け、夜勤手当を手にれても、
心身の負担から病気になってしまうと、
生涯賃金が減り、医療費負担が増え、
定年後を楽しめないかもしれません。
わたしは、長く働ける可能性が高い
「夜勤なし」を選択しました。
「夜勤あり」より年収は劣りますが、
ストレスの分だけ支出も減ったので、
収支は然程変わっていません。

看護師の平均年収は、全国平均で考えると、平均〜やや高い部類に入ると言えます
看護師の仕事内容・夜勤手当が収入に占める割合を考えると、一概に「高収入」とは言えません。
夜勤が体に与える影響は大きく、長期に渡るほど健康被害のリスクは高まります。

看護師の給料なら、「夜勤なし」でも一般的な生活水準は確保できます。
「夜勤」を増やして収入を上げなくても、家計を見直せば事足りるかもしれません。
仮に、22歳-60歳まで看護師として働けば、一生涯で2億円近く稼ぐことができます。        

わたしは、より長く働ける可能性が高い「夜勤なし」の勤務を選択をしました。
「夜勤あり」の頃より、肩こり・腰痛は改善したし、家族に八つ当たりすることも減りました。  
心にゆとりができたのか、日常の小さなことで幸せを感じられるようになったと思います。                  

「夜勤あり」の勤務を続けるべきか悩んでいる方、
金銭的な理由から「夜勤」を増やそうと考えている方へ、何か参考になれば幸いです。

コメント